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  1. 死亡事故の損害賠償について(日弁連交通事故相談センター基準による)

死亡事故の損害賠償について(日弁連交通事故相談センター基準による)

1.損害賠償額の算定方法

 

[支払われる損害賠償金の算定方法]

 

積極損害(治療費や葬儀費など実際に要した費用)消極損害(逸失利益)慰謝料その他(車・衣服などの物損など)

 

[減額事由]

@ 過失相殺による減額 

 被害者に事故発生につき過失がある場合、交通事故の態様ごとに基本的な過失割合と修正要素を一覧表にした『過失割合認定基準表』により算出した過失割合で損害賠償額が減額されます。

  (例)損害賠償額1,000万円

      *被害者に過失なし・・・全額

    *被害者の過失30%認定・・・支払われるのは1,000万円ではなく、30%減額された700万円となります。

 

A 好意同乗者からの請求 減額されない場合、慰謝料のみ減額する場合、全損害額から減額する場合の3通りがあります。

   *慰謝料から減額…便乗型、運転手が誘った場合

   *全損害額から減額…共同危険関与型(もっとスピードを上げろなどと言った場合)

 

B 損益相殺による減額 被害者が交通事故を原因として利益(各種の給付)を受けた場合、二重取りにならないように、その利益分が損害賠償額から控除される場合があります。

   *控除対象になるもの 

         ・受領済みの自賠責保険金、政府の自動車損害賠償保障事業給付金

     ・既払の労災・健保・国保・厚生年金等の各種保険の給付金

     ・既払の遺族補償年金・遺族年金・所得補償保険金

     ・死亡者の将来の生活費(逸失利益より控除)


2.損害賠償の対象となる各項目について説明いたします

@ 積極損害

 

〔葬儀費〕130万円〜170万円 

・仏壇購入費や墓碑建立費が葬儀費に若干加算されるケースや一部を別途認めるケースがあります。

・香典返しや弔問客接待費などは、認められません。

 

〔死亡までの傷害による積極損害〕

治療費、看護費、交通費、入院雑費などが認められます。

 

A 消極損害(逸失利益)

 〔逸失利益〕

(基礎収入−本人の生活費)× 就労可能年数に対応するライプニッツ式係数または新ホフマン式係数

 

a. ≪基礎収入≫  基礎収入については、原則として以下のとおりです。

・給与所得者は、現実の収入額としますが、昇給は、賃金規定等により明確化している場合のみ認められます。

死亡退職金が、定年時に支給される金額より低い場合、その差額も加算されます。

・事業所得者は、事業収入額に占める本人の寄与分を基礎とします。

・家事従業者は、賃金センサス(全年齢平均と18歳〜19歳の平均を使う2つの方法があります)を基礎とし、養育費は控除しません。

・無職者は、男子または女子労働者の平均賃金を基礎とします。

 

b. ≪生活費≫ 生活費は次の割合で控除されます。

・一家の支柱  30%〜40%  

・男子単身者(男児含む) 50%

・女子(女児・主婦を含む) 30%〜40%

 

c. ≪就労可能年数≫

 就労可能年数は、原則として67歳までとし、およそ55歳以上の高齢者(主婦含む)については、各年齢の簡易生命表の平均余命年数の2分の1のいずれかの長い方とする

 

d. ≪中間利息の控除≫  ライプニッツ式または新ホフマン式で計算します。

 

B 慰謝料は、死亡者の年齢、家族構成などにより、原則として次の範囲で決定されます。

  ・死者が一家の支柱の場合  2,600万円〜3,000万円

  ・一家の支柱に準ずる場合  2,300万円〜2,600万円

  ・上記以外の場合      2,000万円〜2,400万円

  *「一家の支柱」とは、被害者の家庭が、主に被害者の収入で生計を維持している場合をいいます。「一家の支柱に準ずる」とは、家事の中心をなす主婦、養育が必要な子供を持つ母親、独身者でも高齢な父母や幼い兄弟を扶養している者等をいいます。 

 

3.死亡事故の損害賠償算定例

 

:〔被害者〕37歳の男子会社員(3児の父)。過失割合0:100 即死 事故直前の年収700万円

 

@ 積極損害(葬儀費用) 150万円・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・A

A 消極損害(逸失利益)

・本人生活費控除率・・・・・・・・年収の35%

・稼働可能年数・・・・・・・・・・67歳までの30年間

・中間利息控除・・・年利5%によるライプニッツ方式

700万円×0.65(1−0.35)×15.3724(30年のライプニッツ係数)=6,994万4,420円  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・B

〔通常の退職金と死亡退職金の差額〕

・死亡退職金・・・・・・・・・・300万円

・定年時(65歳)まで勤務した場合に得たであろう退職一時金・・2,000万円

・中間利息控除後の現価

  2,000万円×0.2550(65歳−37歳のライプニッツ28年の係数)

  =510万2,000円 

・差引逸失退職金 

510万2,000円−300万円=210万2,000円    ・・・・・・・・C 

B 慰謝料

2,700万円 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・D

 

損害賠償額合計+++=10,054万6,420円

 

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